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当社では上記の点をご理解いただいた上でのご注文という形で対応させていただきます。

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カトリック司教 幸田和生のブログです。説教メモなど

2月15日以降のミサについて



 カトリック原町教会からのお知らせです。

 2月12日(金)の福島県の発表によれば、1月13日に始まった「福島県新型コロナウイルス緊急対策」は2月14日で終わり、2月15日以降3月31日までは「重点対策期間」ということになりました。新規感染者数が減少し、医療のひっ迫状況も改善してきていると判断されたためです。重点対策期間においても、県民に対して「緊急事態宣言対象地域を始めとする感染拡大地域との不要不急の往来自粛」(3月7日まで)などが求められますが、これまでの一般的な「不要不急の外出自粛要請」は省かれています。
 この県の発表を受けて、カトリック原町教会では、2月7日にお知らせしたとおり、2月15日以降、「会衆の参加するミサ」を再開することにいたします。これまで同様の感染防止対策を取るとともに、密集を避けるため、当分の間、主日には7時と10時の2回ミサを行うことといたします。7時のミサに参加できる方は、できるだけ、そちらにご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
 2月7日の手紙の以下の箇所も繰り返しておきます。よろしくお願いいたします。
 「マスク着用、小まめな消毒、換気に備えての防寒対策など、ご理解・ご協力をお願い申し上げます。また、他教会の方が原町教会のミサに来られることは当分の間、ご遠慮ください。なお、引き続き、主日のミサに与る務めは免除されていますので、体調の優れない方、高齢などの理由で感染を心配されている方は参加をお控えください」


年間第6主日

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二重焼きが手元になかったので、大堀相馬焼のぐい飲みです。
「道の駅なみえ」で見つけ、気に入って買ってしまいました。
では、説教メモです。どうぞ。

●年間第6主日
 聖書箇所:創世記3・16-19/Iコリント10・31-11・1/マルコ1・40-45
                2021.2.14非公開のミサで
 ホミリア
 大堀相馬焼というのを初めて知ったのは、ハンセン病の国立駿河療養所でのことでした。
 わたしが神学生の頃、東京カトリック神学院の神学生たちは毎年、静岡県御殿場市にある神山復生病院というハンセン病の療養所を訪問していました。ここは1889年、テストウィード神父というパリ外国宣教会の神父によって始められたカトリックのハンセン病病院で、戦前、神学院の教授であった東京教区の岩下壮一神父が院長を勤めたこともあって、東京の神学院とは長い間、関係が深かったのです。今はもう元患者の方もほとんど残っていらっしゃらないのですが、わたしが神学生の頃はまだかなり多くの方が生活しておられました。
 神山復生病院では、ある種、修道生活のようなことが求められていて、患者同士が結婚することは認められていませんでした。そのため、結婚を希望する患者は同じ御殿場市にあった国立の駿河療養所に移ることになっていたのです。それで、駿河療養所にもカトリックの共同体ができていき、聖堂もありました。そこでも一緒にミサに参加させていただくことがありました。ミサの後、一緒にお茶を飲みながら、お話しさせていただくのですが、その時に、元患者の多くの方が使っていたのが、大堀相馬焼の二重焼の湯呑みでした。器が二重になっていて、熱湯を入れても外は熱くならないのですね。
 ハンセン病の方は末梢神経が冒されて、触ったものの熱さを感じることができず、たとえば熱い湯呑みを持つと火傷してしまう。そういう方々にとって、この大堀相馬焼の二重になった湯呑みはとても役に立つものだと教えていただきました。わたしは浜通りに来て、大堀相馬焼の焼き物を見た時、すぐにあのハンセン病の方々のことを懐かしく思い出しました。

 今から思えば、ハンセン病の患者に対する国の誤った強制隔離政策があり、それを是認した上でカトリックの医療ケアや司牧が行われていたわけで、患者の人権という観点から見たら、やはり批判されなければならない面がありました。
 近代の日本では先程の神山復生病院のように、キリスト教が当時の日本で見捨てられていたハンセン病の方々に先駆的に関わって、お世話をしてきた歴史があります。しかし、日本のカトリック司教団は2019年に「ハンセン病に関わる日本カトリック司教団の謝罪声明」を出しています。その中で次のように述べられています。
 「ハンセン病について世界では、1943年に特効薬プロミンが開発され速やかに治癒する病気になったことを受け、1956年の『ローマ宣言』(患者の保護及び社会復帰に関する国際会議決議)で、『らい予防法』のような差別的な法律の撤廃が宣言されました。にもかかわらず、日本の国策は変わることなく、終生絶対隔離が続けられました。
 日本の司教団は、ハンセン病患者を隔離し絶滅させるという国策に対し反対することもなく、入所者のみなさまの奪われていた権利の回復を求めるのでもなく、人生被害を増大させたことに気付かず、当事者の権利を守る視点に立てませんでした。そして、ハンセン病患者・回復者、その家族に対し、長い間、言葉にできないほどの苦しみを与えてしまったことを深く反省します。」

 すごく苦しい声明だったと思います。先輩のカトリック信者の中に、本当にハンセン病患者のために生涯を捧げてきたような方がたくさんおられる。それでも、教会として謝罪しなければならない過ちを犯していた。それはどんなに素晴らしい療養所にしようとしていたとしても、キリスト教的なユートピアができたと自負していても、隔離の必要もない人をそこに閉じ込めておくことは、とんでもない人権侵害だ、という観点の欠如でした。なぜ、そんな風になってしまったのか? 分かりませんけれど、もしかしたらいつの間にか、「この人たちは弱い人たちで、わたしたちがお世話をしなければならない」と思い込み、療養所の存在を当たり前にしてしまったのではないか、とわたしは思うのです。
 それは今の女性差別問題ともつながっているように思います。男性から見て、女性は弱く保護しなければならない存在だということになると、その女性は立場を弁えて自分の意見を言うべきではない、ということになる。お前たちのことは俺たちが決めてやるから、黙っていろ、そういう考えが生まれてくるのです。人としての自由を、自己決定権を平気で奪ってしまうのです。
 いや、それはオリンピックだけの問題ではないのです。わたしたちは苦しんでいる人をなんとか助けたい。少しでもお世話をしたい。そう願います。でも、そう願っていると、いつの間にかその人を弱者として自分たちの下に見て、その人たちがわたしたちに従うのは当然、自分の意見をもったり、自己主張したりするのはとんでもない、ということになってしまうかもしれません。それは本当にその人を人として尊重していることになるのか。本当に厳しいけれど、真剣に問わなければならないと思います。

 さて、今日の福音です。
 イエスはたまたま出会った重い皮膚病の人をいやしました。そしてこうおっしゃいます。
 「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」
 イエスはこのような不思議ないやしによって自分の評判が広まることを望んでいません。ただただ、彼が苦しみから解放され、自分の人生を取り戻すのがイエスの望みだったのでしょう。レビ記の規定では、当時、この病の人について、こう規定されていました。
 「重い皮膚病にかかっている患者は、衣服を裂き、髪をほどき、口ひげを覆い、『わたしは汚(けが)れた者です。汚れた者です』と呼ばわらねばならない。この症状があるかぎり、その人は汚れている。その人は独りで宿営の外に住まねばならない」(レビ13章45-46節) 。
 この人は汚れた人間とされ、神からも人々からも断ち切られているのです。イエスから見れば、それは決して神の望みではありません。この人も神の子としての尊厳を持って生きられるはずだ、イエスはそう確信してその人を「清い」と宣言します。「祭司に体を見せる」のは彼がもう「清くなった」と宣言してもらうため、そして社会復帰するための宗教的な手続きもするようにおっしゃっています。イエスは彼が本当に人として、自由に自分の人生を選べるように、サポートしていると言えるのではないでしょうか。
 出会う人・関わる人を尊重するとはどういうことか、私たちも本当に問われていると思います。

ミサ中止の1週間延長について

お知らせ
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カトリック原町教会では、会衆の参加するミサの中止を1週間延長することになりました。
以下、それに関する手紙です。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                      2021年2月7日
                    担当司祭 幸田和生

      ミサ中止の1週間延長について

カトリック原町教会信徒の皆さま

+主の平和

 福島県は、新型コロナウイルスの新規感染者の急増及び県内医療体制のひっ迫という状況の中、1月13日から2月7日までを「福島県新型コロナウイルス緊急対策期間」とし、県民・事業者に対して、さまざまな協力を求めてきました。県からの「不要不急の外出自粛要請」に応え、わたしたち原町教会は、医療といのちを守るために1月17日から2月7日まで、主日の10時のミサを中止することにしました。
 県民の努力により、最近の感染状況や医療ひっ迫度合いには改善傾向が見られますが、福島県の内堀知事は、2月4日付の県民へのメッセージにおいて、「福島県新型コロナウイルス緊急対策期間」を2月14日まで1週間延長する、と発表しました。これは「緊急対策の終了後、短期間のうちに再び病床がひっ迫することが無いよう、安定して医療を提供することが可能な状態を継続できるよう」にするための措置です。このため、原町教会でもミサ(及び聖体拝領の式)の中止を2月14日まで延長することにいたします。

 ミサに与ることができない、ということは、カトリック信者にとって、たいへん大きな犠牲です。皆さまにはこれまでお捧げくださった犠牲に感謝するとともに、もう1週間の犠牲をお願い申し上げます。ちょうど四旬節を迎える季節になりますが、「医療といのちを守る」ことを第一に考え、キリストの愛に結ばれて今年の四旬節・復活節を迎えることにいたしましょう。
 感染された方々のため、医療に従事される方々のため、亡くなられた方々のため、さらに経済的に追い詰められている方々のために祈り、また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が早く終息しますよう、それぞれの場で祈り続けましょう。

 なお、2月14日をもって福島県の外出自粛要請は解除される見込みですが、確定しているわけではありません。万が一、再度の延長などがあればまた連絡を差し上げます。
 そうでなければ、以下のようにミサを再開いたします。

  2月17日(水) 灰の水曜日 7:00ミサ(どなたも参加できます)
  2月21日(日)  四旬節第1主日 7:00と10:00、2回のミサ
                (9:00-9:45聖書講座)
  翌週以降も当分の間、主日のミサは2回行うことにいたします。

 密集を避けるため、7:00に参加可能な方はなるべくそちらにお願いします。当然のことながら、これまで以上の注意をしながらの再開ということになります。マスク着用、小まめな消毒、換気に備えての防寒対策など、ご理解・ご協力をお願い申し上げます。また、他教会の方が原町教会のミサに来られることは当分の間、ご遠慮ください。
 なお、引き続き、主日のミサに与る務めは免除されていますので、体調の優れない方、高齢などの理由で感染を心配されている方は参加をお控えください。

   (中略)

 どうか世界中の人々が力を合わせて、このパンデミックを乗り越え、素晴らしいイースターを迎えることができますように。アーメン。
 神さまの祝福が皆さんの上に豊かにありますようお祈りしています。

年間第5主日



カトリック原町教会の古い十字架。70年前の、献堂当時からのものでしょうか?
今は香部屋の壁に掛けられています。

●年間第5主日
 聖書箇所:ヨブ7・1-4, 6-7/一コリント9・16-19, 22-23/マルコ1・29-39
               2021.2.7非公開のミサ
 ホミリア
 2月11日はルルドの聖母の記念日で、「世界病者の日」にあたっています。「世界病者の日」はヨハネ・パウロ2世教皇によって1993年に始められ、今年で29回目になります。今年は新型コロナウイルス感染症COVID19のパンデミックの中でこの日を迎えています。病む人に、そして病ということに向き合うことが特別に求められているように感じています。

 「世界病者の日」ということで、今日の『カトリック新聞』に、沖縄に住む佐久本萌々(さくもともも)さんという難病の方の話が載っていました。その方の病気は「魚鱗癬(ぎょりんせん)」と言って、先天的に皮膚のバリア機能が弱いために、皮膚が厚くなったり、皮膚の中に水疱ができたりして大変な病気だそうです。幼い頃から、ずっとその病気を抱え、特効薬のようなものがない中、毎日毎日、母親が症状を緩和させる薬を塗り、ガーゼと包帯を替えてくれたそうです。
 4歳の頃の母親との会話。幼い子どもだった萌々さんは母親に「私の病気、治るの?」と聞いたそうです。それに対して母親は「治らないよ。でも一緒に背負っていくから」と答えました。それは幼心にも自分が一人ではない、とわかる言葉だったそうです。
 彼女は幼い頃から母親に連れられて教会に通っていて、洗礼も受けていますが、今、自分自身で十字架のキリストに向き合い、イエスの光にひかれて、「治らない今をどう生きるか」を掘り下げたいと思って歩んでいるそうです。

 今日の第一朗読はヨブ記からとられています。ヨブの大きな苦しみが語られる箇所です。ヨブはさまざまな不幸に見舞われ、体も皮膚病で損なわれ、自分の人生はむなしい苦しみばかりだと今日の箇所で訴えます。
 それに対する一つの答えは、答唱詩編の中にあります。詩編147の3節、6節。典礼訳ではこうなっています。「神は失意の人を支え、その傷を癒やされる。へりくだる人を支え、逆らう者を地に倒される」新共同訳では「打ち砕かれた心の人々を癒し/その傷を包んでくださる。主は貧しい人々を励まし/逆らう者を地に倒される。」つまり神様は決して苦しむ人を見捨てていない、というのですね。

 もう一つの答えは、福音のイエスの姿です。高熱に苦しんでいたシモンのしゅうとめに近づき、手を取って起こすと、彼女はいやされました。そして、イエスは多くの病人をいやされ、悪霊に取り憑かれていた人を助けました。今年の「世界病者の日」の教皇メッセージには次の言葉があります。
 「イエスが行なったいやしは決して魔術ではなく、つねに出会いの実り、人とのかかわりの実りである」と。
 イエスはいつもアッバ(父)である神に信頼し、「神はこの人を愛し、この人を救おうとしておられる」と確信していました。そして、この人は神の子であり、わたしの兄弟姉妹だと確信して、病む人々に関わっていきました。その関わりの中で生きる力と希望を取り戻していった人々の物語、それが福音書の物語です。
 先ほど紹介した佐久本萌々がお母さんに聞いた言葉、「一緒に背負っていくから」という言葉を、福音書の中の人々はイエスの生き方と言葉、態度から聞きとったのだと思います。

 わたしたちは、このイエスのあとを歩んでいきたいのです。
 確かにこのウイルスに打ち勝つためには、ワクチンは欠かせません。効果的な治療薬の開発も切に待たれています。でもそれらだけで、人を救うことはできません。フランシスコ教皇がおっしゃるように、わたしたちは、このパンデミックの中で、人間は弱いものであり、決して一人では救われない、ということを経験しています。
多くの人が人々の生活やいのちを守るために献身的に働いてくださっています。病の中でその病と必死に戦っている人、そのそばにいて支えている人、病人に近づけないけれど祈っている人、そして何とか感染拡大を防ごうとして、犠牲を捧げているわたしたち。
 会衆の参加するミサができない、多くの信者がミサにあずかることができない、これは本当に大きな犠牲です。でも医療提供体制を守り、いのちを守るためにわたしたちは今、その犠牲を捧げているのです。もう1週間延長ということになりましたが、人々の苦しみを一緒に背負ってくださり、病む人に寄り添ってくださるキリストのこころを持って、この時を過ごしたいと思います。

 このパンデミックの中で、わたしたちが祈り合ったり、電話やメール(手紙)で励まし合ったり、互いの弱さを受け入れ合ったりすることの大切さを本当に深く経験することができますように。


年間第4主日



カトリック原町教会は献堂70周年を迎えました。
記念誌もできあがり、1月30日(土)に記念ミサも行う予定でしたが、コロナのため、残念ながら中止になりました。
写真は献堂式の写真です。記念誌の裏表紙にもこの写真が載っています。

さて、説教メモです。

●年間第4主日・世界こども助け合いの日
 聖書箇所:申命記18・15-20/一コリント7・32-35/マルコ1・21-28
                2021.1.31非公開ミサのため
 ホミリア
 きょうの福音には「汚れた霊に取りつかれた男」が出てきます。「汚れた霊」とか「悪霊」と言われても現代のわたしたちにはピンとこないかもしれません。
 しかし、古代の人々にとって、悪霊は、身近な存在でした。何かしら人間には理解できないような力、人間の力を超えた目に見えない大きな力を「霊(プネウマ、ルーアッハ)」と呼んでいましたが、その力がさまざまな悪(病気や障害など)をもたらすと感じられた時、それを「悪霊」と呼んだのです。福音書に出てくる「悪霊に取りつかれた」状態というのは、どうしようもなく神との関係も断ち切られ、人との関係も断ち切られてしまっているような状態と言ってもいいでしょう。悪霊とは、「神と人、人と人とを引き裂く力」だと言ったらよいのではないか。
 現代のわたしたちにとって悪霊とは何でしょうか?

 わたしたちのまわりにも、何かしら神と人、人と人とを引き裂く大きな力が働いていると感じることがあります。
 新型コロナウイルスというのもそうかもしれない。わたしたちはコロナのせいで、人と人との距離を取らなければならなくなっています。医療を守り、いのちを守るためには、これ以上の感染拡大を何とか防がなければならず、そのためにはミサも行えない。病人や高齢者を訪問することもできない。できる限り、人と人との距離を取らなければならない。本当に神との関係も、人と人との関係も引き裂かれるような経験をしています。それはある意味では仕方のないことでしょう。でももっとひどいことがあります。

 コロナに感染してしまったことで人に迷惑をかけた。人にうつしてしまったかもしれない。感染したことを周りから非難された。そういう苦しみから命をたってしまった人がいます。コロナ患者に対する、非難や差別、それはコロナウイルス以上に人と人との間を引き裂く力です。
 仕事がなくなったり、収入が激減して、経済的に追い詰められているのに、誰からも助けてもらえない、という孤立に落ちいっている人や家庭も少なくありません。
 医療従事者の皆さんも本当にたいへんです。日々、いのちを守るために戦っておられるのに、理解されない、支えられていないということもあります。
 豊かな国がワクチンをできるだけ自分の国のために確保しようとして、貧しい国の貧しい人々には行き渡らない、という現実もあります。

 そんなことのすべてを、何もかもウイルスのせいだから仕方ない、としてしまうのが、それこそ悪霊の働きではないでしょうか。確かに新型ウイルスに対して人間はとても弱いかもしれませんが、でも人間にできることもあります。この困難な状況の中で、すべての人の父である神に信頼し、すべての人を互いに兄弟姉妹として大切にする。それは人間の力であり、聖霊の力でもあります。悪霊が神と人、人と人とを引き裂く力だとすれば、神と人、人と人とを結びつける力が聖霊の力です。その聖霊の力に信頼しましょう。
 毎年1月の最後の日曜日は「世界こども助け合いの日」になっています。19世紀の中ごろ、フランスの子どもたちが自分たちよりも貧しく、苦しんでいる子どもが大勢いると知って、子どもたちが貯めたお小遣いを献金し始めたのに、大人も協力するようになり、世界中に広がったことだそうです。その子どもたちの中に聖霊が働いていた、それを受け止めて応援した大人たちの中にも聖霊が働いているのです。
 わたしたちの生き方、わたしたちの日々の決断が、本当に聖霊の働きに従うものかどうか、本当に神と人、人と人とを少しでもつないでいくものになっているか。それとも悪霊にそそのかされて、神と人、人と人とを引き裂いていくようなものになってしまってはいないか、やはりわたしたちは問われていると思います。それは気候変動のような地球規模の大きな問題でも、ごくごく身近な人間関係の中でも問われていることです。

 イエスが悪霊に取りつかれた人をいやしたというのはどういうことだったのでしょう。
 カファルナウムの会堂にいた人たちは皆、その男を見て、「これは悪霊の仕業だ。人間にはどうすることもできない」そう考えて、あきらめて、できるだけ関わりを持たないようにしていたのでしょう。しかし、イエスはあきらめないで関わろうとするのです。この人も神の子だ。神はこの人を決して見捨てていない。この人とも兄弟姉妹として心を通わせることができるはずだ。そう信じて、イエスはその人に関わっていったのではないでしょうか。そしてそのイエスの思いが、その人に届いたとき、その人はいやされたのではないでしょうか。いやされた、というのは、その人が神とのつながりを取り戻し、人とのつながりを取り戻したことです。それはまさに聖霊の力によることでした。

 わたしたちの中でもそれと同じことが起こる、そう信じて、日々生きることができますように。アーメン。
 

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